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「基源」
科名:メギ科/属名:イカリソウ属
和名:イカリソウ/生薬名:淫羊霍(いんようかく)/学名:Epimedium grandiflorum var.thunbergianym。
花は赤紫色で春に咲き、4枚の花弁が距を突出し錨のような特異な形をしているためこの名がある。葉は複葉で、1本の茎に普通1つ出るが、3枚の小葉が2回、計9枚つく2回3出複葉であることが多い。東北地方南部以南の森林に自生し、園芸用や薬用に栽培されることもある。(なお、近縁種のトキワイカリソウは冬季に落葉しない。常盤=常緑の意味合いがある)「出典」神農本草経 中品
「別名」剛前(ゴウゼン)、仙霊脾(センレイヒ)、放杖草(ホウジョウソウ)、棄杖草(キジョウソウ)、三枝九葉草(サンシクヨウソウ)、黄連祖(オウレンソ)、千両金(センリョウキン)、牛角花(ギュウカクカ)、銅糸草(ドウシソウ)、鉄打杵(テツダショ)、鉄菱角(テツリョウカク)、三叉骨(サンサコツ)、肺経草(ハイケイソウ)
「性味」辛、甘/温
「帰経」肝、腎「成分」
葉、茎には配糖体エピミジン、およびフラボノイドのイカリイン、そのほかリグナン、イカレジノールなどを含む。
「効能・用法・用量」
補腎壮陽、祛風除湿。
強壮、強精の目的で、乾燥した地上部の茎葉を1日量8~10グラムに水0.5リットルを加えて、煎じながら約半量になるまで煮詰めたものをこして、3回に分けて食間に服用します。粉末にした場合には、1日量3~5グラムを3回に分けて服用します。
神経衰弱、健忘症や強壮強精にもよいとされますが、心臓の悪いひとや胃腸の弱い人は飲まないようにします。
イカリソウの地上部には、イカリインという成分が含まれています。このイカリインを用いての動物実験では、精液の分泌を促進する働きのあることが確認されています。
また、ホザキノイカリソウは、神経衰弱、健忘症、慢性気管支炎、手足のしびれ、更年期の高血圧症、小児麻痺症の治療に用いられて1日量3~9グラムを煎用します。
ホザキノイカリソウの根は淫羊霍根(いんようかくこん)といい、腰気(こしけ)、月経不順、ぜんそく、鳥目などに1日量9~15グラムを煎用します。
イカリソウ酒:
一般には、薬酒としての利用が多いようです。イカリソウの乾燥した地上部を刻んだもの200グラムにグラニュー糖を約半量加えて、ホワイトリカー1.8リットルに漬けます。2~3ヶ月後に20ミリリットルくらいを1日2回に分けて服用します。このイカリソウ酒は仙霊脾酒とも呼ばれ強壮の効き目があるとされます。「薬理作用」
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内服した場合には精液分泌促進作用 (催淫作用) 。煎剤はポリオウイルスに対する抑制作用。茎、葉の抽出エキスには鎮咳・去痰作用、降圧作用が報告されている。
「応用」
1.腎陽虚によるインポテンツや婦人の不妊症に用いる。古人は経験的に淫羊霍酒(淫羊霍30gを米酒500gに20日間つけて服用する)を用いている。最近は、毎食前に20%淫羊霍チンキ(酒精エキス)5mlを服用させ、インポテンツ・遺精・早漏に一定の効果を得ている。また、倦怠無力・反応が鈍い・記憶力低下などの症状がある抑うつ型の神経衰弱にも効果がある。チンキ剤以外に、複方に配合して例えば羊霍三子湯を使用してもよい。不妊症には淫羊霍を試みるのがよい。
2.痺証(風寒湿痺)に用いる。特に下肢の疼痛性運動麻痺・筋肉や関節の痙攣・手足のしびれに使用する。古人は風湿による痺痛だけに使用したが、現在は淫羊霍・桑寄生にポリオウイルスに対する抑制作用があるところから適応範囲を拡大し、小児麻痺の急性期・後遺症期に用いて一定の効果を得ている。
3.高血圧症に用いる。顔色が蒼白い・腰や膝がだるく力がない・夜尿・舌質淡白・脈細で、男性の場合にはインポテンツ、滑精、女性の場合には月経不順などの陰陽両虚の症状があるときに適用する。
「注意」
陰虚火旺証には用いない方がよい。
「産地」
中国 (華北、華中、東北、雲南、広西) 。
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